2011-03-23

MYOG ファーストライトの前室

夫婦山行で最も使用頻度の高いファーストライト。荷物の少ない夏場はまだしも、防寒装備がボリュームアップする雪中泊ではテント内は酷い有り様で、冬用シュラフを二本並べると床面が見えなくなり、小道具類はテント内遭難多発。勿論湯沸かしは外で行う事になる。晴れなら良いが、吹雪いてる時は辛過ぎる。前室が欲しい・・・が、メーカー純正オプションは、重量が610gと、とても許される重量ではない。総重量2kg弱ならもっと広いテントがいくらでもある。なので、作ってみた。柱にトレッキングポールを使うタープ型なら軽く仕上がりそうだ。



素材はソフトタイベックを使った。シルナイロンやキューベンを使った方が軽く仕上がるけど、僕は縫製スキルゼロで、嫁さんは簡単な巾着袋を作る程度の経験しか無かったので、気軽に切った貼った出来そうなタイベックを選択。透湿性が有るのも決め手。補強の当て布にダイニーマXグリッドストップ、コイルファスナー等々、素材は全てOMMにて調達。
CADや図学のスキルは無いので、室内にファーストライトを張って現物合わせで型紙を作った。さて、縫うかとなった所でつまづいた。ミシン糸の事を何も考えていなかった。どんな糸と針で縫うのか?家に有る裁縫の入門書にはタイベックテントの縫い方なんて書いてる分けないし・・・で、OMMのオーナーであり、先日の北八ツで御一緒したJoさんに問い合わせた所、丁寧に勘所を教えて頂いた。要約すると、

・ポリエステルのスパン糸
・出来るだけ太い糸を細い針で縫う
・ピッチは細かすぎず大きすぎず

各ミシンの性能が違うので何番の糸を何番の針でというのは一概に言えないようだ。とりあえず糸と針を三種類ずつ用意して色々な組み合わせを試してみた。希望としては一番太い30番で縫いたいけど、細めの針だと上手く縫えない。結局、糸50番、針9番に落ち着いた。あと、ファスナーを縫い付けるのにファスナー押さえと、コンシールファスナー押さえというミシンの押さえのオプションパーツを手芸店で購入した。



縫い代は、手元にあるMLDのDuoMidを参考にした。リッジラインは折り伏せ縫い、裾周りは一度だけ折り返した。
不意に目が詰まったり、針抜けしたりと苦戦したが(嫁さんが)、縫い始めると完成までは早かった。

気になる重量はシームリング無しで188g。予想より軽く仕上がり大満足!
ファーストライト本体はFibraplexのカーボンポールに換装して1115g(シーム済み w/o peg sac line)なので、前室を含む総重量が1303gとなった。





広さも充分。靴と湯沸かし具を置いてもまだ余裕がある。



換気口の笠の部分はタイラップを通してテンションを出している。湯沸かしもして一晩寝てみたが、全く結露しなかったので換気は上手くいってるようだ。



ジッパーは一番テンションの掛かるリッジラインを避けて3cm程側面にオフセットさせている。






質感は正に障子紙。意外と中は明るい。



未だ雨風にはさらされていないので、耐候性は未知数。構造的には風には強そうだがどうなんだろう。とりあえず、シームして完成としよう。